徳島 - ゼロ・ウェイストセンターでのミニマルな暮らしと神秘的な苔の森に包まれる2日間
今回訪れる上勝町は、標高700m 以上の山地に覆われていて、急な斜面に棚田や段々畑の風景を残す人口約1500 人の小さな町です。
未来の子供達に豊かな自然を継承するために町民全員が協力しあってゼロ・ウェイスト=ごみを出さない社会を目指し、今ではリサイクル率80%!
上勝町に泊まることで、その取り組みを体験してきました。
羽田空港から徳島空港へ。そこから車で約1時間と少し。自然に囲まれた上勝町に向けて出発です。
PM 12:00 RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store
豊かな自然に囲まれたのどかな町に突然現れるこのお洒落な建物は【RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store】。
大きな窓が特徴的ですが、この窓枠は上勝町で出たゴミをリユースしたもの。空き瓶にも新しい命が吹き込まれ、お店の顔となる素敵なシャンデリアに。まるでアートの世界に迷い込んだようでした。
ランチは、オリジナルBBQソースが甘辛で絶品なPULLED PORK。思わずお腹がグゥーと鳴るおいしさです!
- INFORMATION
RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store
〒771-4505 徳島県勝浦郡上勝町正木平間237-2
ここではクラフトビールを製造販売していて、果汁を絞った後に捨てられてしまう上勝特産の柚香の皮を香りづけにつかったフルーティーなビールや、上勝町の食卓ではお馴染みの乳酸菌発酵の晩茶を使用したクラフトビールもあり、訪れた町の特徴を楽しめるビールってなんだか嬉しくなりますよね!
PM 1:00 HOTEL WHY
本日宿泊するのは【HOTEL WHY】。なんと、町のごみステーションです。上空からみると「?」マークの斬新なデザインで、?の下の点の部分が宿泊エリアです。
ゼロ・ウェイスト宿泊で気をつけたいポイントは次のとおり。
- お茶やコーヒー、石鹸は、チェックインの際に自分で必要な分を考え量り分けします
- ごみ削減のため、歯ブラシ等の使い捨てアメニティはありません
- 洗濯排水を限りなく少なくするためにパジャマの用意はなく持参が必要です
- 上勝町ではごみを45種類に分別しており、宿泊中は私たちも同じルールで分別します
他にも、上勝町の歴史や取り組みを学べるごみステーションツアーに参加できたり、施設内にあるくるくるショップでは、町民が持ち寄ったいらないけどまだ使えるアイテムを無料で持ち帰ることができます。
- INFORMATION
HOTEL WHY
徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2
ごみステーション泊と聞いて気になるのは恐らく臭いだと思いますが、空き瓶やチップスの袋などは綺麗に洗って捨てていたり、生ごみはコンポストを利用して分解しているため臭いは全くないのでご安心くださいね。
お部屋は、木の温もりを感じられる山小屋みたいな可愛い造り。レイクサイドのお部屋からは見渡す限りの青々とした山並みが望め、ウッドデッキに座っていると風にそよぐ葉のサラサラした音が心地よくてついウトウトしてしまいました。
お部屋は全室メゾネットタイプで、1階にはソファベッドが1台ありますが、2名で宿泊の私たちは、2階に布団を敷いて寝ることに。
PM 4:00 上勝町
上勝町をお散歩していると、川辺に自分の背丈より高いススキ畑を発見。ザーザーと音を立てて揺らぐ圧巻の光景が広がっていました。日差しが眩しい緑の季節も好きですが、空気が澄んでいる肌寒い時期の山もやっぱり魅力的。
ここからほど近い築70年古民家喫茶の【喫茶いくみ】で本日の夕食です。
PM 6:00 上勝町 喫茶いくみ
予約限定 裏メニューの囲炉裏で焼く石焼焼肉で舌鼓。プリプリとした徳島の地鶏「阿波尾鶏」が本当に絶品で甘味があって香ばしくてこの鳥を食べるだけのために上勝町にまた行きたいと思うほどです。
この日は私たちだけの貸し切り状態だったこともあり懐かしいレコードの音でゆっくりお食事を楽しみましたが、時々オーナーさんのギター生演奏でカラオケ大会!なんて面白いイベントも開催されているようなので行かれる際には要チェックですね。
食後、デザートがわりにいただいた上勝町特産の晩茶とスパイスで作る「ばんチャイ」が、口当たりまろやかで本当に美味しく、こっそり秘伝のレシピを教えていただきました!
夜道は、ウサギや鹿、猪まで急に飛び出てくるので要注意!なんて言うからビクビクしていたのに、猫にすらあえず、笑ってしまいました。
- INFORMATION
喫茶いくみ
徳島県勝浦郡上勝町大字生実字谷口12
mail: ikumi.kamikatsu@gmail.com
※予約はメールのみです
AM 8:00 HOTEL WHY
山間から顔を覗かせる日差しがポカポカあたたかく、気持ちいい朝を迎えられました。寝起き早々に上勝の晩茶を淹れ、ゆったりした時間が流れます。
朝食は、昨日立ち寄った「RISE & WIN Brewing Co.」で作られるオリジナルメニューをお部屋まで届けていただきました。
曲げわっぱの弁当箱を持ってデッキへ出たらピクニック気分。ビールの醸造後に出たココナッツを再利用したナッツグラノーラやヨーグルト、ミネストローネがセットになっていました。
PM 1:00 上勝町
午後からは山登りに出発。道中、広大な段々畑があって、夏の時期には青々と茂って美しいそう。今の時期は枯れ草だったけど、黄金の大地が広がる風景はこれまた美しい。
なかなかの急斜面で運動不足な私には堪えるものがありました。(この日から2日間は身体中痛くてペンギン歩きしかできない状態に...笑)
PM 2:00 山犬嶽
黄金色の段々畑の景色とは一変して、【山犬嶽】の中へ。
背の高い木々が風に揺れてゆっくり軋むギーギーという音が森中に響いている思ったら、風がやむと一気に静まり返る。虫も鳥も鳴かなず、時が止まってしまったように静かで、不思議な感覚に。一応道はあるのだけれど、奥へと進むほど道なき道で進路がわからず、入り口にあった地図を受け取らなかったのは間違えだったと今更気づいても遅い。
遭難の二文字が頭によぎりつつも、目的地だった苔の名所にたどり着いた時は、自然の偉大さに感動しました。
- INFORMATION
山犬嶽
徳島県勝浦郡上勝町生実萱木屋
PM 5:00 遠近
そんなこんなで森の中に長く居すぎてあっという間に帰宅の時間に。
最後に気になっていたカフェ【遠近(をちこち)】に立ち寄り苺づくしのデザートをいただき大満足。
- INFORMATION
遠近
徳島県徳島市上八万町樋口266−1
今回の自然と環境に向き合う旅、いかがでしたか?
帰りの道中に立ち寄ったコンビニで「この包装は何ごみに分類されるだろう」と自然に呟き、すでに上勝ソウルは私の中に宿っていたようです。笑
MUSE
- SeabedPhotographer/Editor
異文化を体感できる旅を求めて、カメラ片手に世界を飛び回り、これまで訪れた国は26ヵ国に。 ありのままの日常に溶け込み、地元の方と触れあう、そんな旅スタイルが好きです。
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