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【ゆったり船の旅】大阪から九州へ「さんふらわあ」で過ごすフェリー旅行

気軽に船旅へ出られるのは、海に囲まれた国に住む特権。

旅のピークシーズンで交通機関が混み合うゴールデンウィークに選んだのは、混雑の影響を受けない「ゆったり船旅」。2023年に新造船としてデビューしたフェリー「さんふらわあ くれない」に乗船しました。今回は、大阪〜別府を結ぶ約12時間の船の旅をレポートします。

最新のフェリーは、まるで動くホテルのよう。ご当地グルメを味わえるディナービュッフェにもご注目ください。

PM 4:00 さんふらわあターミナル(大阪)第1ターミナル

今回乗船する「さんふらわあ くれない」は、大阪・南港のフェリーターミナルから出航します。

2023年にデビューした「くれない」は、大阪〜別府を結ぶ航路で運行中。日本初の環境配慮型LNG燃料の使用と、華やかで快適な船内を両立した新造船は、瞬く間に船好きの間で話題になりました。長距離フェリーとしては33年ぶりにグッドデザイン賞を受賞したようです(2023年)。

PM 6:00 乗船

いざ、船内へ。

乗船してまず目に飛び込んでくるのは、キラキラと輝く三層吹き抜けアトリウムの大階段。まるで豪華客船のような華やかな出立ちに、これから過ごす12時間への期待が膨らみます。

PM 6:05 客室

旅の人数や予算、スタイルによって、多様なタイプの客室から選択できるのも「さんふらわあ くれない」の良いところ。今回は「ゆったり旅」がテーマなので「セミスイート」に宿泊しました。

スイートルームゾーンには扉を一枚抜けて入ることになり、客室前の廊下の往来は基本的に宿泊者のみ。この日は満室にもかかわらず、とても静かな空間でした。

まるでホテルのようではありませんか。セミスイートの客室には、シングルサイズのベッド2台、ソファ、テーブル、テレビや冷蔵庫も備え付けられています。シャワー・トイレも室内にあるので安心です。

専用バルコニーでは自分達だけの空間で海風を浴びられます。大阪〜別府航路は夜間の運行なので青い海を見ることはできませんが、春夏のシーズンは夜風に当たるのも気持ち良いものです。

そしてなんと、たった12時間の移動にもかかわらずスパークリングワインのサービスまで。スイートカテゴリーの客室にはワイングラスも準備されているので、バルコニーで乾杯なんていかがでしょうか。

PM 6:15 レストラン

楽しみにしていた船内レストランへやってきました。一人でも気軽に海を眺められるカウンター席や、大人数で座れるテーブル席などが並び、店内は広々としたつくりです。「さんふらわあ」は豪華客船ではなくフェリーなので、運送業などの仕事で乗船中の人も多く、ゲストを問わず居心地の良い場所になっているように感じました。ひとり旅にも良さそうですね。

私のお気に入りは窓際のテーブル席です。人気の座席は早々に埋まってしまう可能性が高いので、席にこだわる場合は乗船後なるべく早めにレストランへ向かうことをおすすめします。

ビュッフェは瀬戸内航路にちなんだメニューのラインアップ。内容は日によって異なりますが、この日は別府名物の「とり天」や「りゅうきゅう」なども並んでいました。

船内ビュッフェとは思えない脂の乗ったお刺身は、とくに期待以上のクオリティ!

ソフトドリンクは基本料金に含まれていますが、アルコール類は有料で別途購入するシステムです。私たちは旅の始まりに気分が盛り上がってしまい、うっかり「さんふらわあオリジナル神戸ワイン」で乾杯。ひととおり食事を終えたら、ビュッフェからお酒に合いそうなフードを追加で選んできちゃったり。非日常な海の上での食事に、旅心をより一層くすぐられます。

フルーツやデザートも揃い、最後まで飽きずに楽しめるバラエティ豊かな夕食に、大満足の夜でした。

INFORMATION

大阪〜別府航路 夕食料金

大人:2,300円
小学生:1,000円
幼児:500円

PM 8:15 明石海峡大橋

明石海峡大橋をくぐる瞬間を見るためにデッキへ出てみます。迫り来る橋の真下を通り過ぎる瞬間は大迫力で、一見の価値あり。この日は小雨が降っていたことが好転し、ライトアップされた橋はまるでスモークが焚かれているかのように幻想的でした。

三大架橋(明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋)を通過する時間はあらかじめ発表されています。瀬戸大橋と来島海峡大橋は真夜中にあたるので、明石海峡大橋が狙い目です。

PM 8:30 プロジェクションマッピングショー

船内で退屈する暇はありません。大階段の真上でプロジェクションマッピングショーがスタートします。

大きな円形のスクリーンではありますが、大階段を一番上まで登った場所が見やすくておすすめです。

PM 9:00 ショップ

船内のショップには、ドリンクや軽食のほか、九州や関西のお土産も並んでいます。

注目は「さんふらわあ」オリジナルグッズ。乗船の思い出に、クリップスタンドを連れて帰りました。

また、船内にはたくさんの自動販売機が設置されているので、ショップが閉まった後も安心です。

PM 9:15 ラウンジ

スイートルームのゲスト限定で使えるラウンジへ立ち寄ります。こちらでは、食べ飲み放題のコーヒーとアイスクリーム(この日はパルム)のサービスが。各々の部屋で過ごす人が多いのか、席が埋まるようなことはありませんでした。

主に旅やカルチャー系の雑誌が取り揃えられています。とても静かで、ゆったりとした時間を過ごせました。

PM 10:00 大浴場

船内にはなんと無料の大浴場も完備。混雑状況はモニターに表示されています。浴場の窓から海を眺められるので、朝風呂も気持ち良さそうですね。

シャワー無しの客室に宿泊する場合も、こちらの大浴場やシャワーブースを使用できるのでご安心を。

AM 5:30 朝食

おだやかな瀬戸内海クルーズの朝を迎えました。昨晩と同じレストランで朝食ビュッフェをいただきます。ディナーに比べると品数は少ないですが、750円で和洋どちらも揃ったメニューの食べ放題はお得感があります。

AM 6:30 バルコニー

いよいよ目的地の大分・別府が近づいてきました。あいにくの天気でバルコニーは使えませんでしたが、モーニングコーヒーをここで飲めたら最高かも。

AM 6:55 さんふらわあターミナル(別府)

食べて、くつろいで、ベッドで身体を伸ばして休み、そうこうしている間に別府港に到着です。なんだか豊かな気持ちで過ごせた、濃密な12時間でした。

目的地への移動が、楽しく意味のある時間に…それどころか、もはや道中が「旅のメイン」にさえなりうるのが船の旅なのかもしれません。

「船旅」は、島国で暮らす特権のひとつ。次の旅は、海の上でゆったり過ごしながら移動してみてはいかがでしょうか。

■さんふらわあ 公式サイトはこちら
■さんふらわあ くれない・むらさき 公式特設サイトはこちら

MUSE

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YUKIKAライター

旅やホテルにまつわる文章を執筆しているライター。ホテルには月5〜10日ほど行きます。生粋の旅好きで、過去には外資系ラグジュアリーホテルのPRや、大手旅行会社での勤務経験...

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